2005年6月30日(木)18:35

ブレア首相は自らのEU将来像の論拠を説く

ロンドン/ハンブルク(AP)

一切の誤解を避けるために、イギリスのトニー・ブレア首相は(明日)金曜日のEU議長就任に当たり、自らのEU改革将来像について弁明を行った。「EUはグローバル化を受け入れてこれを利用するか、それともそこから目を背けようとすべきだろうか?」とブレア首相はAP通信社との独占インタビューで問いかけた。いずれにせよ私はグローバル化を受け入れる方を支持する、と首相は答えた。

「欧州連合内には対立がある」とブレア首相は6月中旬のEU首脳会議決裂を踏まえて語った。この対立はほかならぬEUの将来路線に関するものだ。私の考えでは一つしか道はない。「私たちは競争力を高めねばならない。学問やテクノロジー、研究や開発に投資しなければならないのだ」。ブレア首相はこの文脈で、依然EU予算の40パーセントを占める農業予算の大幅削減を求めた。その場合は私もイギリスの拠出金割引額の減額に応じる用意がある、と首相は述べた。

とりわけフランスが最大の受益国としてEU農業補助金の削減に反対している。すでに2002年の時点で当時の加盟15ヶ国によって合意された妥協案によれば、農業予算は2013年まで現在の水準で凍結されることになっている。ブレア首相もこの時承諾している。この妥協案はとりわけEU東方拡大の前提と見なされた。

(明日の)金曜日からEU議長に就任するブレア首相の方針に対しては、ドイツのレナーテ・キューナスト農業担当相が批判を行った。農業振興はEUの将来と相容れないと語るならば「ブレア首相は間違っている」、とキューナスト農業担当相は『フィナンシャル・タイムズ・ドイチュラント』紙に語った。「正しい政策を行えば農業はEUの未来なのである。私たちは否定的議論から脱しなくてはならない」と緑の党所属の農業担当相は付け加えた。

キューナスト農業担当相によれば、世界貿易の要求や消費者の要請、原油価格の上昇や今後の環境問題にEU農業を一貫して適合させれば、EU内の失業率減少に大きな貢献ができるという。「EU予算に占める農業支出の割合は現在の40パーセントから30パーセントに下げることができる」と同相は述べた。

フランスのカトリン・コロンナEU担当相は、ブレア首相がEU議長としてEUの利害を守るだろうとの期待を表明した。私は12月までに中期予算計画の合意が得られるものと期待している、と同相はフランスの新聞『Ouest France』に語った。「しかしこれは、彼(ブレア首相)がEUの利益を守るにはどう振舞ったら良いか、もっと良く理解することを前提とする」、とコロンナEU担当相はEU首脳会議でのブレア首相の頑なな態度を踏まえて語った。

ブレア首相の見解によれば、EU憲法の将来はフランスとオランダの国民の気持ちが変わるか否かによるという。国民投票でEU憲法を否決した両国は、今まず最初にEUの憲法危機の解決策を示す必要がある、とブレア首相は求めた。批准手続きは6月の首脳会議の決定により目下凍結されている。EU各国首脳がこの問題を再度協議するのは2006年前半となる。

原題:Blair untermauert Zukunftsmodell fuer Europa




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